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paul weller (ポール・ウェラー)
イギリスが誇るモッドヒーロー、ポール・ウェラー
名前は聞いたことあるけれど…一体どんな人なんだろう?と思う方も多いかもしれません
1960年代のイギリスで一世を風靡したモッズカルチャー(いわゆるイギリスの族ですね)に傾倒しその信念を現在に至るまで貫き通し、常に新しい音楽を追求し続けている
巷ではモッド・ファーザーと言われて多くのファンやミュージシャンからもリスペクトを集めているカリスマ的存在です
そのキャリアは長く、そしてどの時代においてもNo.1を獲得し続けるという偉業を成し遂げて現在に至ります
そんなポール・ウェラーの今までの道のりを紹介しつつモッド・アイコンとまで言われるに至ったファッションや髪型にもスポットを当ててみたいと思います
The Jam時代
1970年代のパンクムーブメントの真っ只中、ポールウェラーはThe Jamでそのキャリアをスタートさせることになります
セックス・ピストルズやクラッシュなどのパンクバンドが目覚ましい活躍を見せる中、The Jamも3ピースのシンプルな編成で結成され8ビートの歯切れの良い演奏で人気を獲得していきます
他のパンクバンドと一線を画していたのはポール・ウェラーの魂とも言えるモッズ魂でした
髪を逆立てたり鋲付きの革ジャンを身にまとったバンドが多い中、彼らはピタッとしたタイトな黒のモッズスーツでステージに上がりました
さらに楽曲自体も他のパンクバンドとは違いモータウンやスタックスなどのアメリカのソウルミュージックに影響を受けつつ、その楽曲を高速で演奏するという前代未聞の荒技をやってのけたんです!
これが当時のイギリスで大ウケ!
もともと1960年代にイギリスで一大ムーブメントを起こしたモッズ・カルチャーとその時代の最先端であったパンクムーブメントとの融合が面白い化学反応を起こしたのでしょうか?The Jamはとても斬新なサウンドを作り上げることに成功したんです!
The Who やSmall Facesのように黒人音楽をリスペクトしていたバンドからの影響とモッズ精神、さらに新しいものを常に貪欲に取り入れるポール・ウェラーが音楽シーンに残した最初の足跡と言えるでしょう。
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Style Council時代
6年間のThe Jamで活動の中、さらなる表現欲求が出てきたポール・ウェラー
3ピースのバンド編成に限界を感じ人気の絶頂の中バンドを解散することになります!
信じられないですよね!
現代の日本の音楽シーンに置き換えて考えてみると、ようやく人気が定着してこれからどうやって稼ごうかとレコード会社の大人達があれこれ考えている中
「俺、もう今の音楽やるの飽きたしバンド解散して他のことやるから後はよろしくね」と、言っているようなものです
それだけ彼は新しい物事への関心が高く、自身を高めていくということに一切妥協がなかったのでしょう!
より黒人音楽に傾倒し、キーボーディストを迎えホーンセクションも大胆に取り入れたStyle Councilというユニットを結成することになります
日本では馴染みがないように思われるかもしれませんが朝のニュース番組のテーマソングにShout To The Topという楽曲が使われていたり、現在においても彼らの楽曲は光を放ち続けています。
Shout To The Top
この曲のタイトルに導かれるように、Style Council時代にも全英No.1を獲得したポール・ウェラー!まさにNo.1の申し子だと言えるでしょう
音楽的には一番ディープな作品をこの頃に量産することになります
大編成のバンドであればアレンジの幅が広がるというメリットもありますが逆に選択肢が多すぎて「あれもこれも録音したい」ということになって最終的には「何が良いのか分からない」という負のスパイラルに陥ってしまうことがあります(筆者も何度も経験しました、ポールウェラーはそんなことなかったと思いますよ)
まるで実験音楽のような楽曲ありましたが、試行錯誤の中で色々な角度から検証していたんだろうなと想像できます。この時期に培われたアレンジ力が後々のソロ期においても楽曲の幅を広げている要因となったのかもしれませんね!
ソロ期
The Jam、Style Council時代を経て1度は音楽を辞めてしまおうかと悩んだポールウェラーですが「自分には音楽しかない」とソロでのキャリアをスタートさせることになります
ソロって大変なんですよ、バンドの頃はドラムのアレンジはドラマーに任せておけばいいわけだし場合によっては他のメンバーが曲作ってくれたりするし
基本的にバンドは共同作業であるのに対してソロ・アーティストは何もかも全部自分でやることが多いです
- 作詞作曲
- 演奏
- アレンジ
- リリースなどの構想
- ライブをやるためのメンバー集め
何もかも自分でやらなければいけないんですから
売れていようが売れてなかろうが音楽的に好きなことをできる反面、何もかも自分でやらなければいけないという責任が常についてまわるんです
プレッシャーもあったと思いますが、そこは天下のポールウェラー
小さなクラブでのライブ活動から地道に活動を始め、3rd Album Stanley Road でついに全英No.1に返り咲きます。
このアルバムの中にThe Chagingmanという曲が収録されているのですが、まさにポールウェラー自身を言い表しているような曲のような気がしてなりません
- 信念は変わらず、しかし変化し続けること
- 新しいものを追求し続ける姿勢
ポールウェラー自身を投影したかのようなこの曲、親を質に入れてでも聴いてみてください!
揺るぎないスタイル・徹底された衣装・仕様機材へのこだわり
さて、ここまでは固苦しく彼のキャリアについて語ってきたわけですが…
彼の写真を見ていると、若い時から現在に至るまでかなりキメキメだと思いませんか?
細くてスタイルが良くビシッとしていますよね!
これは彼が愛する細身のスーツやジャケット・細身のパンツなどがモッズの正装であるからなんです
筆者のバンドメンバーもモッズに影響を受けていたため、細身のスーツやジャケット・細身のパンツを身につけるために日夜スタイルの維持に努めていました
極論ですが
「細いスーツ着れない奴はギター弾く資格ないぞ」と言われ、必死にダイエットに励んだ時期もありました。
話が逸れましたが、これもモッズ文化の影響ということなのでしょう
精神的には新しいものを常に追い求める傾向があるのですが、身につける物には人一倍のこだわりがあるのがモッズの特徴です。
- スーツは三つボタン
- Vゾーンは小さく
- ネクタイも細ければ細いほど良い!
- アイウェアも忘れずに
もの凄いこだわりですね!
使用ギターに関してもブリティッシュロックの王道サウンドとも言える音を鳴らすため
- リッケンバッカー330
- エピフォン カジノ
- フェンダー テレキャスター
といった歯切れの良いサウンドの出るシングルコイルの搭載されているギターを主に愛用しています
まとめ
ポールウェラーの歴史やそのバックグラウンドに至るまでを紹介してきましたが
やはりキーワードは「モッズ」
この一言に集約されているでしょう
古き良き音楽や文化を愛しながら自分と向き合い、常に新しい物を追求し続けるその姿勢
ポール・ウェラーのキャリアそのものがモッズカルチャーの象徴と言っても言い過ぎではないかもしれません!
きっと彼の命が尽きるまで果てしない追求の旅は続くのかもしれません
これからも新しいロックの形を我々に見せつけてくれることを期待しています!