BOSS OD-1
エレキギターを弾いている人であれば、1度は手にして使うであろう歪みエフェクター
その元祖と言えば誰もが耳にしたことのあるBOSSのOD-1というペダルです
発売から数十年以上経った現在でも人気は衰えず、インターネット上では高値で売買されています
後継機種として現行で新品が手に入るOD-3という機種が大体1万円ぐらいで買えるのに、数十年前に発売されたOD-1は状態が良いものであれば5万円前後で取引されていることもあります
この値段の差って何なの?
OD-1ってそんなに価値があるエフェクターなの?
と思われる方がほとんどでしょう!
筆者もOD-1を所有しているので、その使用感や特徴、メリットやデメリットを余すことなく解説していこうと思います。
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1977年に発売された世界初のオーバードライブペダル
これが筆者の持っているOD-1です。
うーむボロい…
いわゆる銀ネジと呼ばれる前期型の機種なので当たり前と言えば当たり前ですね、ちなみに黒ネジという後期型の機種も存在するらしくサウンドのキャラクターも異なるみたいですね
これを筆者が持っているフェンダージャパンのテレキャスターに繋いで、小さなオレンジのアンプに繋いで弾いてみたんですが…
ごく普通のオーバードライブなんですよね
オーバードライブなんでそれ以上でもそれ以下でもないんですが、良質なオーバードライブサウンドを得られるペダルだなというのが第一印象です
ギターでも何でもそうなんですが、やはり世の中に出た当初に作られたモノってメーカーが気合いを入れて作っているモノだからやっぱり丁寧に作られているんですよ。売れることが分かれば大量生産になって利益を追求するために部品もどんどん粗悪なものになっていくというのが大体のパターンなんですが、やはり初期のモノって何でも良質なんですね
サウンドの特徴は?ライブでは使えるのか?
ただ、さすがに40年以上前の機械なので迫力のあるサウンドかと言えばそうではないんですよ。ギターの美味しい中音域を気持ちよく持ち上げてくれるのは間違いないんですが、それに伴って何だか低音部分がスカスカになってしまうような印象を受けます(筆者の持ってるペダルが悪いだけかもしれませんが…)
もっとハリのある、高音から低音まで余すところなくジャンプアップさせてくれるようなペダルが欲しいのであればOD-1はやめておいたほうがいいでしょう。2〜3万円も出せばトゥルーバイパス回路のついているハイエンドなオーバードライブのペダルが楽器店に山ほど並んでいますからね
しかもこのペダル、ライブハウスでドラムに負けないような大きな音を出そうとしたら
ハウリングの嵐に見舞われますから(笑)
筆者のギターの師匠の言うところには…「昔のエフェクターだもん、今時のエフェクターと違ってハウる訳だよね」ということらしいです(笑)何だか妙に納得させられます
使っている部品がどうだから…という説明はできないのですが、とにかくハウリングしやすいのは事実です。音量の大きなロックバンドで、メインの歪みエフェクターとして使うのは難しそうですね!
ん…?デメリットしかないのかよ!
という声が聞こえてきそうですが、ちょっとだけお待ちください
そもそもOD-1が見直された90年代に、どういう経緯でリバイバルが起こったかを考えてみると
ブースターとして使用した時に伸びやかなサウンドが得られる
こんな感じだったと思うんですよね!
実際に筆者が持っている別の歪みエフェクターをメインの歪みとして音のキャラクターを作り、ブースターとしてOD-1を踏んでみると…
確かに中音域が気持ちよくジャンプアップして気持ちよくソロが弾けるんです
しかもワザとらしく全体的に音が持ち上がる感じではなく、ナチュラルにある音域だけが持ち上がるような印象なので、露骨にエフェクターを踏んだな!という感じがしないのは凄いな!と思いました。
こういうことだったのね!OD-1の良いところって
まとめ
以上をまとめると…
OD-1やっぱり良いエフェクターだけれど、ライブでは使いづらいな…
というのが筆者の感想です…が
ライブで使えないからといって、ダメなエフェクターだという烙印を押すわけにはいきません!
ナチュラルに中音域をジャンプアップさせてくれる点は特筆すべき所だと言えます。レコーディングの現場であればその特性を生かして、ギターのサウンドを他の楽器と分離させたい時にとても役立つんじゃないか?と思います。多少古臭い音になってしまうかもしれませんが、あたたかい雰囲気のアナログ感漂うサウンド作りにひと役かうことでしょう。
同じような理由でディレイの名器DM-2も、どうやったらあの倍音が出るんだ?というようなサウンド作りをすることができます
理屈では説明できないような面白いサウンド作りができる古いBOSSのエフェクター、高い値段で取引される理由はこういう所にあるのかもしれませんね
最後まで読んでいただいてありがとうございました