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テープエコーって何?どんな機材?
テープエコーという機材をご存知ですか?
ギタリストの間だけではなく、様々なジャンルの音楽マニアの中で今でも語り継がれ使い続けられているエコーマシンの走りとも言える機材です。
有名なRolandのRE-201というテープエコーのフタを開けてみると…
カセットテープの「テープ」のような磁気テープ部分がうにょうにょとなっていますね!
この磁気テープをモーターで回しつつ、入力した音を録音して複数の再生ヘッドで再生することによって山びこのような効果を作り出すという機械なんです。
ん?… 分かりにくい?
もっと簡単に言うと、声とか音をテープに録音してその音を複数のラジカセで時間差で鳴らすようなイメージです(時間差で同じ音を鳴らすことによって山びこのような効果が出るんですね)
シンプルなのか複雑なのか良く分かりませんが、デジタル技術がなかった時代に知恵を絞って作り出されたアナログ機材の傑作だと言えるでしょう。
テープエコーを使うとこんな効果があります!
百聞は一見にしかず、youtubeに実際にテープエコーを使用しているデモ映像があったので貼り付けてみることにします
音を再生している途中でツマミを回したりすることでイレギュラーな音のウネりを作り出す事もできちゃいます。
うーむ、おもしろいですね!
そしてそして…
エレキギターをこの機械を使って鳴らしたらどうなるんでしょう?
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ブライアンセッツァーのサウンドをチェック!
テープエコーを使用しているギタリストと言えば真っ先に思い浮かぶのがこの人
ブライアンセッツァーです!
あま〜いサウンドですね!
ブライアンセッツァーの代名詞とも言えるグレッチのギターとテープエコーのディレイが絶妙なサウンドを作り出しています!
そしてそして、映像をチェックしてみると…アンプの上にしっかり乗っていますね!
Rolandのテープエコーの最上位機種、RE-301です!
テンポの速いロカビリー調の曲を演奏するときは、ディレイタイムを短くしたいわゆるロックンロールディレイが代名詞のブライアンセッツァーですが、バラード調のこの曲ではディレイタイムを長く設定しているみたいなので、テープエコーの山びこ効果が手に取るように分かります。
アナログな機材ならではの不安定さと言うか、ディレイ音のきっちりしていない所が、結果として温かみのあるサウンドを作り出してとっても耳に残ります。
デジタルディレイでも似たような響きを作り出す事はできるでしょう、でもクリアーできっちりとした印象のサウンドになってしまうのでどちらかと言うと冷たい印象になってしまうんです。
真空管アンプなんかもそうなんですが、ギターやオーディオの世界では「きっちりしすぎていない事」が逆にプラスの要素となって働く事もあると言ういい例ですね!
テープエコーを通すと何故音が良くなるのか?実際に試してみた
インターネットやギターの情報誌を読んでいたりすると時々目にする「テープエコーを通すだけでギターの音が良くなる」というまるで都市伝説のような情報
これって本当なんでしょうか?
確かに、日本が誇るスーパーギタリストcharさんもWATKINS社のコピーキャットという機種のテープエコーを使用しています。
これを通すことによってまるでプリアンプのような効果を得られる…ということらしいです。
試してみたい!でもテープエコーってほとんど売ってないし、昔の機種は生産中止になっているし、現行でほんの少しだけ売っているけれどすごく高価だし…
と、いう方々のために筆者が実際に試してみることにしました(笑)
とは言ったものの、筆者が持っているのはそんなに高価なテープエコーではなくいわゆる名機とされるRolandのRE-201からリバーブ機能を取り除いたRE-150というテープエコー
世間の評価もそこまで高くなく、構造もRE-201とは違うのでそこまで効果があるのかどうか筆者自身もあまり期待していませんでした…
結果…
やっぱりいい音します!
Rolandのテープエコーは生産中心になってから数十年経っているので状態の良いものはほとんど出回っていないのですが、筆者は最近このテープエコーを元Rolandのテクニシャンの方にメンテナンスしてもらったばかりなので状態については問題が無いと確信しています。
で、そもそもテープエコーを繋いだ時に「いい音がする」というのはどういうことかと言うと、磁気テープをモーターを使って回転させる際にローラーで回すわけなんですがその際にトルクがかかって出てくる音に揺らぎが発生するようで、その心地よい揺らぎが「いい音」の原因になっているようなんです。
実際に筆者もテープエコーを繋がずにアンプ直で弾いた音より、繋いだ時の音の方が立体的で奥行きのあるサウンドだなという印象を受けました。前項でも述べましたが、デジタル回路を使ったエフェクターでは決して得られない不安定なサウンドこそ「いい音」の正体なのかもしれません!
まとめ
テープエコーを繋ぐことによって「いい音」を作り出すことができる。という事は分かりました!…が、そもそもテープエコー自体があまり世の中に出回っていません。そして手に入れたとしてもメンテナンスは大変だし良い状態をキープするのもとても大変だと思います。
そしていろんなメーカーからテープエコーのサウンドをシュミレートしたエフェクターもたくさんリリースされています。
いくつか筆者も使ってみたことがあるんですが、本当に凄いエフェクターばかりで中にはテープエコーの不安定さを再現するためにディレイだけではなくコーラスの回路も組み込んで音を揺らすことによってよりテープエコーぽいサウンドをシュミレートできるペダルもリリースされています。
しかし…
モデリングしたサウンドと本家本元のサウンドは違います
本当に危なっかしい機材ではあるものの、本物のテープエコーで得られるサウンドは現代でも十二分に通用するスリリングな刺激に満ち溢れています。
キレイにまとまったサウンドも魅力ですが、アナログな機材で得られる効果を現代のテクノロジーと併用することによってより斬新な表現ができるのではないか?と筆者は考えています。
機会があれば是非本物のテープエコーを使ってみることをお勧めします!
最後まで読んでいただいてありがとうございました!