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VOXアンプの歴史
ビートルズの使用によって一躍その名を世界に広めたVOXアンプ
彼らの立っている後ろにはいつもゴージャスな装飾のアンプがずらっと並んでいましたよね
ロック草創期1960年代のイギリスのバンドがこぞってVOXを使用して以来、独特なサウンドで世界中のギタリストを魅了してきました。
60年代以降も現代向けの機能を取り入れつつ、今なおロックギターのスタンダードなサウンドを作る際には欠かせないアンプとして多くのギタリストに支持され続けています!
そんなVOXアンプの中でも定番中の定番、AC30という機種を紹介していこうと思います。
AC30誕生
そもそもVOXアンプというのはJMIという会社が作っていました
10Wや15Wの小型のアンプをメインに作っていたのですが、ロックバンドが人気を集めるようになるにつれ
- ギターを大音量でならしたい
- もっと大きな会場で使えるアンプが欲しい
というニーズに応えるために、スピーカーが1つしか付いていなかったAC15の後継機種として1959年に発表されたのがAC30の始まりです。
実際に使ってみるとよく分かるのですが、このAC30というアンプ「本当に30Wかよ!」と思うぐらいの大音量が出ます。1960年代は現在のようにPAシステムが発達していなかったので大きなステージでもお客さんに聴こえるぐらいのパワーが必要だったんでしょうね!
VOXサウンドの特徴
聴けばすぐに「VOXだな」と分かる「独特の中音域とギラッと光る高音域」が特徴です(初期のビートルズの音源のギターの音をイメージしていただければわかりやすいかもしれませんね!)
難しいことを言うと「クラスA回路」というのを採用しているので音が歪みにくいという特徴もあります
エフェクターを通さない場合歪んだサウンドを出すのが難しいので、クリーントーンを基本としてクランチぐらいまでの方向性で使えば60年代風の「無骨でパンチのある音」を作ることができるでしょう!
サスティーンがあまりないので人によっては物足りなく感じるかもしれませんが
- 歌モノのバッキング
- ファンク系のカッティング
- ポップス等で使われるクリーントーン
なんかで使えばとても効果的だと思います。
トレモロを搭載している機種もあるので必要に応じて使うと、より音作りの幅が広がるでしょうね!
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トップブースト回路・おすすめの搭載スピーカー
1959年の登場以来マイナーチェンジを繰り返しながら進化を続けたAC30ですが
「どの時期のどんな機種が1番いいんだよ?」というくらい、生産された年代でその仕様や生産国が様々なんです。
よい機種をどうやって見分けるか?というポイントを紹介していくと
まず「トップブースト回路」という回路が付いている機種を探してみましょう!
機種によってインプットチャンネルの数が4つの物もあれば6つの物もあったりするのですが、その中で主に6つインプットが付いている機種には「トップブースト回路」というのが搭載されているんです。
難しいことを言えば「使われている真空管などが…」と細かい説明が必要なのですが…
難しいことはさておきVOXが改良を重ねていく中で到達した1つの完成系とも言えるトップブースト回路はAC30のよい部分を凝縮していると言っても過言ではないので是非とも搭載している機種を選ぶことをオススメします!
セレッション:アルニコブルー・グリーンバック
次に使用されているスピーカーについて説明をしていきましょう!これまたベタなんですが、AC30と相性のよいスピーカーというのがあるんです。
セレッション社のアルニコブルースピーカーとグリーンバックという2つのスピーカーです。
アルニコブルーに関してはオリジナルのAC30にも搭載されていた歯切れのよいサウンドが特徴です。VOXのスタンダードとも言える音が出ます
つまり
純粋なオリジナルのVOXサウンドが欲しい人はアルニコブルースピーカー搭載・トップブースト回路搭載のAC30を選ぶのが良いでしょう。
アルニコブルースピーカーは高価なのでアンプ自体の価格も高くなってしまいますが、とことんVOXサウンドを追求したいというギタリストはこだわった方が良いポイントですね!
アルニコブルーとは対照的にグリーンバックは現代向けの歪んだ音にも対応出来るようなレンジの広さが特徴だと言えます。
ザラッとした音質になるのでオリジナルなVOXサウンドとは少し異なるのですが
「現代風のロックサウンドをAC30を使って作ってみたい!」という方にはオススメだと思います。
まとめ
AC30に関して語ってきたわけですが、ここで紹介した特徴やスピーカーというのも実は「ほんの1部」でしかないんです。
- クラシックなAC30であればトップブースト回路を搭載していない個体もありますし
- マスターボリュームが付いているものやそうでないものもありますし
- アンプヘッドとキャビネットが分かれている機種もありますし
長い歴史の中で様々な変化を遂げてきたAC30ですが
あくまでも基本は
- コンボタイプ
- トップブースト回路搭載
- アルニコブルースピーカー2発搭載
だと考えて良いでしょう。
- 純粋なVOXオリジナルサウンドで60年代な気分に浸るも良し
- VOXアンプを使って自分だけのオリジナルサウンドを追求するも良し
- ブライアン・メイのようにたくさんのAC30を積み上げてロックスターを気取るも良し
使い方・可能性は無限大です!
ゴージャスなVOXサウンドの世界を楽しんでみてくださいね!